資産運用とは?
資産運用とは、保有している資産(預金、株、不動産等)を管理・運用し、効率的に資産を増やしていくことです。
資産運用の必要性
かつての資産運用と言えば、一部の富裕層が株や不動産などに投資しているイメージでしたが、現在は社会環境の変化により誰もが資産運用の必要性に迫られています。
主な理由としては下記の3つが挙げられます。
預金では資産がほとんど増えない
銀行の預金金利は1990年代のピーク時には普通預金が2%、定期預金(1年もの)が6%もあり、ただ銀行に預けておくだけでも資産が増えて行く時代でした。
今は、普通預金で0.001%、定期預金(300万円未満、1年もの)で0.01%と言う非常に低金利の状態で、銀行の預金では資産を増やすことが出来ない状況が続いています。また、物価指数はわずかながら上がっているので、貯めたお金の価値は少しずつ目減りして行くことになります。
年金だけでは老後資金が不足する可能性
これから更に少子高齢化社会になって行くと、若い働き手が減って老齢人口が増えるため、現在65歳の年金支給開始年齢が引き上げられたり、支給金額そのものが減額されることが予想されます。また、平均寿命が延びたことで人生100年時代となり、老後の生活資金が長い期間必要となって来ます。
年金を自分自身で運用する時代へ
一般的なサラリーマンは厚生年金のほかに、会社で運用される企業年金を積み立てています。この企業年金は企業が運用利回りを保証して確定金額を給付するため、金利が低い状況では企業側にとってデメリットが大きい制度です。
2001年からは企業年金の一部を社員自身が運用する確定拠出年金(401k)の制度が施行され、現在では多くの企業が採用しています。この制度が採用されている企業、制度の対象となる役職等であれば、年金の一部を自分自身で運用しなければなりません。
このように、資産運用をしなくても(知らなくても)良かった時代から、積極的に資産運用をしなければならない時代に変わって来ています。
資産運用のメリット・デメリット
資産運用にあたっては、メリットだけでなく当然デメリットもあります。
双方を理解した上で実施することが重要です。
メリット
資産が増える可能性が高まる
資産運用をすることで必ず資産が増えるとは言えませんが、運用をしない場合に比べてよりリターンの高い資産を運用することになるので、資産が増える可能性が高まるとは言えます。
家計の見直しが出来る
資産運用をする前準備として、最初に余剰資金を把握するために収支を確認することになります。その結果、無駄な支出が見えてきたりして、家計の見直しが出来ることになります。
お金の勉強になる
運用商品の情報や、それに関連する税金等の知識を得ることで、結果的にお金全般を理解するための勉強になります。
デメリット
元本割れの可能性がある
運用商品の多くは元本保証が無く、高いリターンを得ようとすると、結果的に元本割れの可能性が高い運用商品を選択することになります。
運用に時間が割かれる
運用商品の知識を得ようとしたり、商品の購入・売却をしたりするのには、かなりの手間と時間が割かれます。普通に仕事をして日常生活を送りながらこの時間を確保することは、かなり難しい場合があります。
資産運用の手順
資産運用を始めるに当たっては、運用商品に関する知識が無い状態で、いきなり高額をつぎ込んだりすると、失敗のリスクも高まります。失敗のリスクを減らすためには、急ぎ過ぎずしっかりと手順を踏んでいくことが重要です。
収入と支出を把握する
最初に、現在どのような収入があり、どのような支出があるかを把握します。直近の数か月、出来れば季節変動要因も含む直近1年間が望ましいです。把握した結果、収入と支出の差がマイナス(赤字)であれば、資産運用どころではありません。まずは、支出を見直して収支をプラス(黒字)にする必要があります。
積立を始める
毎月一定額を積み立てるようにするのが最初の一歩です。先ほど把握した収支のプラス分のうち、無理なく積み立てられる金額を決めて積み立てを開始します。
積み立てを開始し、半年~1年くらい経ったらそのまま継続出来そうかを判断します。ちょっと金額が多過ぎたと思ったら、無理の無い金額まで減額します。まだ余裕がありそうだと思ったら、増額しても構いません。
まとまった資金を確保する
積立を継続していくと、ある程度のまとまった資金が確保出来ます。元々銀行口座で保有している余裕資金も、ここで言うまとまった資金と言えます。
ここまで来ると、月々の積立でどれくらい資金が増えていくか、まとまった資金がいつ頃どれくらいになるかを予測出来るようになります。
今後の支出を予想する
まとまった資金が準備出来たら、さっそく本格的に資産運用を始めたいところですが、その前に確認しておくべき重要なポイントがあります。それは、今後のライフイベントを想定した上で、いつ頃にどれくらいの支出があるかを予想しておくことです。
主なライフイベントとしては、結婚,出産,子供の進学や、車,住宅の購入等があり、何れもまとまった資金が現金で必要となります。
目的と目標を決める
今後予想されるまとまった支出に対して、いつまでにいくら貯めると言う目標を決めます。ライフイベントごとに目標金額と運用期間をイメージすると良いです。
運用商品を選んで運用を始める
目標金額と運用期間、目的を考慮して運用商品を検討します。預金以外の運用商品は、すぐに現金化するのが難しかったり、短期間で現金化すると元本割れをすることがあります。メリット・デメリットを把握した上で、運用商品を選んで運用を開始します。
定期的に運用状況を見直す
運用を始めてそのまま放っておくと、当初の想定通りに資産運用出来ていない場合もあります。また、ご自身のライフイベントに変化が生じて、運用商品の見直しが必要となるかも知れません。
1年に1回とか、新たなライフイベントが発生したとき等、定期的に運用状況を見直すことをおすすめします。
資産運用の注意点
資産運用を行っていると、その時は気づかなくても、後で振り返ってみると「失敗したな」と思うような状況があり得ます。
そうならない為の、主な注意点を3つ挙げておきます。
無理をしない
積み立てを始めると生活費を切り詰めてまで積立金額を高めに設定したり、貯まった資金を全て運用商品につぎ込んだり、ギリギリの切羽詰まった状態での資産運用になることがありますが、これでは長続きしません。
あくまでも余剰資金で、無理をしない範囲で運用することを心掛けた方が良いです。
知らない商品には手を出さない
雑誌やネット上に、流行りの運用商品が高利回りをうたい文句に掲載されていたりするとつい手を出したくなりますが、まずはその商品に関する情報を集めて商品の理解を深めましょう。
思わぬリスクが潜んでいたり、雑誌やネット上に出てくる段階で既に投資タイミングが遅い場合もあります。
他人を意識しない
株の運用や仮想通貨で億単位を稼いだ人がいると、つい「自分も・・・」と思って行動してしまいがちですが、実際は同じ様な運用をしても資産をマイナスにしてしまった人が数多くいます。
他人の資産が増えても減っても自分の資産には直接関係ありませんので、他の人がどう行動しているかは意識する必要はなく、自分自身の判断で行動するようにしましょう。
まとめ
現在は、誰もが資産運用をする時代になって来ました。
元本割れの可能性もあり難しいと思われるかも知れませんが、ご自身の収支を想定し、運用商品の知識を得て、大きなリスクを回避しながら資産運用することで、将来必要となる資金を効率良く得られる可能性が高くなるでしょう。
当サイトの情報を参考にしつつ、楽しみながら資産運用を始めてみてください。